2018年時事関連での中学入試予想問題(将棋に関する歴史)
藤井聡太七段の活躍により将棋がニュースで取り上げられることが多くなりました。
2018年の1月の段階では、まだ藤井四段でしたが、朝日杯将棋オープン戦で優勝したなどにより、五段、六段、七段と昇段し、プロ通算100勝を達成したこともニュースになりました。
これだけニュースで取り上げられたことは中学入試の出題テーマとなることがあります。もちろん、将棋の問題が入試で出題されるわけではありません。問われるのは将棋に関する事柄です。
予想問題を作ってみました。
時事関連の中学入試予想問題(将棋の歴史)
【予想問題(1)】
次の資料は将棋に関する年表である。(A)と(B)の時期に起きた歴史上の事柄として適切なものを選択肢から選びなさい(選択肢は省略)。
1612年 | 大橋宗桂が将棋所(しょうぎどころ)となる |
---|---|
(A) | |
1716年 | 御城将棋(おしろしょうぎ)が制度化される |
(B) | |
1879年 | 伊藤宗印が十一世名人に襲位 |
- 将棋所(しょうぎどころ)…江戸時代の将棋の家元の称号
- 御城将棋(おしろしょうぎ)…年に一度、将軍の前で家元が指す将棋の対局
将棋は江戸時代に徳川将軍家の支援を受けて発展します。
その中でも大きな出来事があった年が2つ。
大橋宗桂が将棋所となった1612年と御城将棋が制度化された1716年。
この2つの年代を覚える必要等ありません。
こうしたものは入試では資料として記載されているからです。
入試で問題となるのはこの先。
この2つの出来事の前後に起きたことが何かが問われます。
御城将棋が制度化された1716年というのは、享保の改革が始まった年なのです。
この前後の出来事はしっかり覚えておきましょう。
- (大橋宗桂が将棋所となる)
- 1614年…大坂冬の陣
- 1615年…大坂夏の陣
- 1635年…参勤交代が制度化
- 1637年…島原の乱
- 1685年…生類憐みの令
- 1709年…新井白石の政治
- (御城将棋が制度化される)
- 1721年…目安箱設置
- 1732年…享保の大飢饉
- 1782年…天明の大飢饉
- 1833年…天保の大飢饉
- 1837年…大塩平八郎の乱
上にに挙げた出来事が予想問題の選択肢の候補です。
前後関係、順番など覚えておきましょう。
将棋好きな10代将軍徳川家治についても要チェック
徳川15代将軍の中で最も将棋が好きだったと言われるのが10代将軍の徳川家治で、「御撰象棊攷格(ぎょせんしょうぎこうかく)」という詰将棋集を著しているほどです。
ここで覚えておきたいのは10代将軍徳川家治のときの政治です。
【予想問題(2)】
将棋が好きだった徳川家治の将軍時代の政治の説明として正しいものを選べ。
- (A)新井白石が正徳の治と呼ばれる政治を行った。
- (B)田沼意次が株仲間の結成の奨励などを行った。
- (C)松平定信が寛政の改革を行った。
- (D)水野忠邦が天保の改革を行った。
新井白石、田沼意次、松平定信、水野忠邦がそれぞれ何代将軍のときの人物か覚えていますか?
10代将軍徳川家治のときは老中の田沼意次が政治を行っていました。
(このため家治は将棋などの趣味に没頭できたとも言われています)
将棋からの関連で田沼意次のことを整理しておきましょう。
田沼意次の政治
- 株仲間の結成の奨励
- 長崎貿易の拡大
- 印旛沼、手賀沼の開発を計画
【予想問題(2)】の正解…(B)田沼意次が株仲間の結成の奨励などを行った。